2017年12月一覧

雁風呂

落語には随分地味な噺もあります。 それでいて、どこか心に残るのです。 その一つがぼくにとってはこの「雁風呂」です。 上方では桂米朝が、東京では六代目三遊亭圓生が好んでやりました。 元々、講談からきたという説もあります。 東北の民話に題材をとった噺です。 秋にやってくる雁は、木のかけらを口にくわえ、途中、疲れるとそれを海面に浮かべて休息をとると信じられていました。 日本までたど...

冬はつとめて

今までにどれほどこの文章を読んだことか。 仕事だといってしまえば、それまでですけどね。 味わいの深い随筆です。 清少納言がしたためた『枕草子』がそれ。 誰もが習います。 「春はあけぼの」から…。 日本の風土は四季の感覚からできあがっています。 最初の段はことに趣が深い。 一条天皇の中宮定子に仕えたことはよく知られています。 田辺聖子の小説を読むと、夫であった橘則光との暮ら...