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銀の匙

伝説の本です。 夏目漱石が絶賛しました。 いまだに、この小説は残っています。 それも実に大切に扱われているのです。 灘高校の国語の先生が3年間にわたってこの本一冊だけで授業をしたというのも、近年話題になりました。 中勘助という人の他の作品がそれほどに読まれているとも思えません。 魅力がよほどあるにちがいないのです。 子供時代の懐かしい思い出が実にきめこまかく語られます。 な...

点と線

松本清張の小説『点と線』は時刻表を縦横に使い切った作品の一つです。 昭和32年から33年にかけて雑誌「旅」に連載されました。 この年は彼にとって記念すべき年でもあります。 『眼の壁』『ゼロの焦点』など、名作が次々と発表されました。 『点と線』は映画化もされ、後に生誕100年を記念してテレビドラマにもなりました。 鹿児島本線、香椎駅から少し離れた海辺でおこる情死事件を扱ったものです。 ...

さくらんぼの会と如月寄席

久しぶりの落語会です。 今月末にさくらんぼの会が、2月初旬には如月寄席があります。 とりあえず月末にある会では「初天神」を…。 天神様の縁日で駄々をこねる子に、手を焼く父親の噺です。 今までに、何度か高座にかけました。 親ならば誰にでも一度や二度は経験のあることと思います。 子供は飴玉、団子、凧と欲しいものをどんどんエスカレートさせていきます。 最初はしぶる父親も、結局は買わ...

断捨離

この言葉が世間に出回ってから、随分と月日が経ちました。 今では誰もが知っています。 しかしだからといって、そんなに簡単に実行できるものではありません。 そこが一番難しいところです。 以前なら、そのまんま捨てちゃうこともできました。 しかし今では燃えるものや、燃えないもの、さらには個人情報などという厄介な話もあります。 住所録なんて簡単には捨てられなくなりました。 かつては気楽に印...

雁風呂

落語には随分地味な噺もあります。 それでいて、どこか心に残るのです。 その一つがぼくにとってはこの「雁風呂」です。 上方では桂米朝が、東京では六代目三遊亭圓生が好んでやりました。 元々、講談からきたという説もあります。 東北の民話に題材をとった噺です。 秋にやってくる雁は、木のかけらを口にくわえ、途中、疲れるとそれを海面に浮かべて休息をとると信じられていました。 日本までたど...

冬はつとめて

今までにどれほどこの文章を読んだことか。 仕事だといってしまえば、それまでですけどね。 味わいの深い随筆です。 清少納言がしたためた『枕草子』がそれ。 誰もが習います。 「春はあけぼの」から…。 日本の風土は四季の感覚からできあがっています。 最初の段はことに趣が深い。 一条天皇の中宮定子に仕えたことはよく知られています。 田辺聖子の小説を読むと、夫であった橘則光との暮ら...