Book一覧

銀の匙

伝説の本です。 夏目漱石が絶賛しました。 いまだに、この小説は残っています。 それも実に大切に扱われているのです。 灘高校の国語の先生が3年間にわたってこの本一冊だけで授業をしたというのも、近年話題になりました。 中勘助という人の他の作品がそれほどに読まれているとも思えません。 魅力がよほどあるにちがいないのです。 子供時代の懐かしい思い出が実にきめこまかく語られます。 な...

点と線

松本清張の小説『点と線』は時刻表を縦横に使い切った作品の一つです。 昭和32年から33年にかけて雑誌「旅」に連載されました。 この年は彼にとって記念すべき年でもあります。 『眼の壁』『ゼロの焦点』など、名作が次々と発表されました。 『点と線』は映画化もされ、後に生誕100年を記念してテレビドラマにもなりました。 鹿児島本線、香椎駅から少し離れた海辺でおこる情死事件を扱ったものです。 ...

吾輩は猫である

久しぶりに読み返しました。 言わずと知れた夏目漱石の処女作です。 誰もが知っています。 しかし最後まで読み切ったという人に、あまり出会ったことがありません。 不思議な本です。 今となっては難しい。 注釈なしに読むことは至難でしょう。 言葉だけじゃない。 世態、風俗、人情、全てが変わってしまったのです。 登場人物が実に愉快です。 ご隠居さんのところにやってくる熊さん、八つ...

影響力の武器 

昨日からずっとこの本を読んでました。 実に興味深いテーマです。 社会心理学の分野に属するものです。 要約すると、人間はどのような行動をとる生物なのかというのが主題です。 人の態度や行動を変化させる心理的な力とは何か。 心の中をここまで深く読み取られてしまうと、正直つらいものがあります。 ものを売る人は人間の深層心理に訴えます。 人にものを頼むときにはどうすればうまくいくのか。...

ジャコメッティとともに

6月14日から国立新美術館でジャコメッテイ展が始まりました。 これは開館10周年を記念した展覧会だそうです。 この芸術家の横顔を表している作品は矢内原伊作の『ジャコメッティとともに』につきると思います。 ぼくがこの本に出会ったのは実に35年ほど前のこと。 こんなにすごい本があるのかというのが、その時の率直な感想です。 たまたま書きとどめたものがありました。 そのまま載せさせてください。...

海も暮れきる

尾崎放哉の本を引っ張り出して読み始めました。 吉村昭著『海も暮れきる』です。 奥付をみたら昭和55年でした。 今から37年も前の本です。 あれから一度も読んでいません。 自由律俳句の授業をする時、荻原井泉水、種田山頭火とともに必ず紹介してきました。 それにしても、この人の甘えは度を超えています。 その輝かしい経歴に比べて、人間がむやみに卑しい。 吉村昭が小豆島を訪ね、放哉に...