N女の研究 中村安希 フィルムアート 2016年11月

N女という表現にとまどいました。
非営利法人に転職していく女性のことです。
それまでの報酬を捨て、高学歴の彼女たちがなぜ…。
民間セクターと行政セクターとの溝を埋めるため、つなぎ役になりたいとする彼女たちへのインタビューで全体が構成されています。

基本的に肩肘張らずにやっているのがいいなと思いました。
彼ら以前にNPOを立ち上げた世代の人たちとは明らかに違っています。
慈善団体から事業団体へうまく変身した法人も、今ではかなりあるようです。
高スペックな彼らがバリキャリ路線を離れていく様子が興味深かったです。

しかしもちろん、そこにはさまざまな問題もあります。
それも含めて彼らは実にしたたかに転身をしていきます。
留学、結婚、子育て。
ある意味では夫の定収入に支えられている側面もあります。

女性たちの方が変化することに躊躇がないというのが第一印象でした。
ある意味では羨ましい存在でもあります。
非営利は収益を上げてはいけないということではありません。
事業団体の方が比較的に給料はいいようです。
それに比べると、福祉団体はかなり厳しい。

インタビューの要は人選でした。
団体の代表者ではなく、職員へ。
それも本音で話してくれる人だけを。

知らない団体ばかりでした。
ティーチ・フォー・ジャパン
ビッグイシュー日本
コモンビート
育て上げネット
クロスフィールズ
ノーベル
難民支援協会

インタビューした彼らはその後も転身を繰り返しているようです。
夫の赴任先へ行った人。子育てに専念している人。企業へ勤め直した人。
さまざまです。
それぞれの事情がよく書き込まれていて、大変興味深い一冊でした。

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