噺家と認知症

物騒なタイトルです。
しかしこれだけ高齢の噺家が増えると、笑ってばかりもいられません。
90歳を過ぎても現役で頑張ってる落語家もいると思えば、自らアルツハイマーらしいと呟いた小三治のような例も出てきました。

以下はつい先日の新聞の記事です。

高座では、仏壇の前で小言を言う演目「小言念仏」を小気味よく披露した一方、認知症の一種、アルツハイマー病を患っている可能性があると告白。「今年に入ってからか。頭がおかしくなる、アルツハイマーだ」と衝撃発言し、「いっぱいいるんだって世間に。だいたいこんな時間(午後4時)にこんな大勢、寄席にいるなんて、まともな人じゃ来ない」と満員の観客をイジり、笑わせた。

ふっと登場人物の台詞が出なくなる。あるいはかつての文楽のように、人物の名前を忘れるということもあります。律儀な芸人はそれで自分の役割が終わったことを察知するのでしょう。

一方では、人物の名前くらい平気でかえてしまう剛の者もいます。
こうなると単純に認知症と決めつけるわけにもいきません。
それでも自然に淘汰され、高座にもでなくなって消えていくというのが、一つの流れのようにも思えます。
ここのところ、そういう噺家が増えてきました。

席亭の方でも、そのあたりはしっかりみています。
何歳が芸の限界なのか。
それも本当のところはよくわかりません。
定年がないという現実が、一方ではかなり無理な高座をつくりあげてもいます。

若い前座がひしめく寄席の楽屋。
一方では高齢化がどんどん進む落語界。
そのバランスをとることさえ、難しい時代に入っているようです。

シェアする

フォローする