「 コラム 」一覧

道灌

道灌

これは柳家一門が最初に稽古をする噺として有名です。 誰もが先輩や師匠から教わるのです。 俗に「根問いもの」と呼びます。 前座噺とされていますが、やってみると、これほど厄介なものはありません。 どこからでも入れて、切れるので、時間の制限がある時などは実に具合がいいのです。 先代の小さんなどは40分くらいかけてたっぷりとやる時もありました。 しかし短いバージョンだと10分で終わらせるこ...

真打ちすごろく

真打ちすごろく

柳家権太楼がある噺家の真打ち披露でこんなことを話していました。 今までは上をめざし、とにかく真打ちになることだけを念じてきただろう。 けれど、このすごろくはクルッと裏を返すと、名前をかえて、本当の真打ちすごろくになる。 今までと違って、何年たてば必ず上に上がれるというもんじゃない。 少し先まで行ったかと思うと、そこでしばらく待てとなり、さらに振り出しへ戻れとなる。 どこに上がりが...

噺家と認知症

噺家と認知症

物騒なタイトルです。 しかしこれだけ高齢の噺家が増えると、笑ってばかりもいられません。 90歳を過ぎても現役で頑張ってる落語家もいると思えば、自らアルツハイマーらしいと呟いた小三治のような例も出てきました。 以下はつい先日の新聞の記事です。 高座では、仏壇の前で小言を言う演目「小言念仏」を小気味よく披露した一方、認知症の一種、アルツハイマー病を患っている可能性があると告白。「今年に...

円楽の遠望

円楽の遠望

昨日の新聞にこんな記事が出ていました。 実物は長いので、前半だけを転載します。 5代目円楽一門会に所属する落語家・三遊亭円楽(67)が、落語芸術協会(桂歌丸会長)に加入することが22日、分かった。単身での加入を申し入れ、落語芸術協会は役員会を開き客員としての加入を承認した。27日の同協会の総会で正式発表される。5代目円楽一門会にも引き続き所属する。過去には一門全体での合流を申し出たが拒否さ...

そこでだ、若旦那

そこでだ、若旦那

立川談四楼。 いったいこの人は何冊本を書いているのか。立川流の中でも群を抜いてます。今まで読んだのを少しだけ思い出してみました。それほど多くはありません。元々、立川談志という落語家に対するアレルギー症状が強いからかな。その弟子というバイアスがかかっていたから、興味を示さなかったに違いないのです。 『シャレのち曇り』『どうせ曲った人生さ』『師匠!』『記憶する力忘れない力』『一流の人はなぜ落語...

落語は「おはなし」

落語は「おはなし」

広瀬和生が去年の暮れに出した噺家同士の対談集『僕らの落語』(淡交社)を読みました。 組み合わせが大変に面白い。 桂米團治*柳家花緑 桃月庵白酒*春風亭一之輔 春風亭百栄*三遊亭兼好 柳亭こみち*三遊亭粋歌 最初は東西の人間国宝の身内の話から…。 ある時落語とは何かと花緑が米朝に訊ねた時、「おじいちゃんが孫に聴かせるおとぎ話」と言ったとか。 小さんも同じようなことを言っていた...

食べられるのか…

食べられるのか…

落語家800人の時代です。 江戸時代以来最大の数になりました。 そんなに噺家が必要なのでしょうか。 落語を語る席があるのかどうか。 東京の落語家数は545人。そのうち真打は352人です。 全体の65%が真打という実にいびつな構造になっています。 もちろん、寄席に出られるのはわずかな一握りの師匠方だけ。 入門してから5年ほどたってやっとなれる二つ目にはほとんど出番などありません。 ...

誰がうまいのか…

誰がうまいのか…

これくらいの難題はないでしょうね、おそらく。 それぞれの聞き手が勝手なことを言うに違いありません。 いつの時代のどの噺と限定しても無理でしょう。 以前は録音そのものが大変でした。 今のようにすぐれた機材はなかったですし…。 昔の噺家の録音を聞いていると、実にイライラさせられることが多いのです。 それも含めて、さて誰がうまいのか。 まさに難問中の難問です。 ぼくはそんなに聞い...

超入門!落語 THE MOVIE

超入門!落語 THE MOVIE

不思議な番組です。 今年の夏、数本が放送されました。 その評判がよかったとみえて、この10月からレギュラー枠に入ったというわけです。 構成はすこぶる簡単。 噺家の台詞を全部、ドラマ化して、あてぶりで演技するというものです。 しかし実際にやるとなったら、これはそんなに容易じゃありません。 まず全部台詞を書き出し、噺家の間と同じに演じるのです。 本当の落語とは違うけど、そ...

落語論

落語論

実にマニアックな本です。 普通の人はちょっと読んでやめるかな。 しかしなるほど、その通りだと納得させられるところがあちこちにあります。 噺家のあり方について書いているところなどは、本当にその通りだと思わず頷いてしまいます。 10年も前の本です。 少し感想を書かせてください。 面白かったのは客を高揚させる声とは何かということでした。 心地よい高音を出せる噺家は、人気がでやすいと...