まくら

高座に上がってみるとわかりますが、まくらをどう語るかというのは大変に難しいものです。 その日の演題にすんなり入っていくための道具という見方もできますし、お客様の心をつかむ踊り場ともいえます。 あまり退屈でつまらないと、逆効果になってしまうことも往々にしてあるようです。 その反対にここばかりが面白くて、本題に入ると死んだようだという噺でも困りものです。 理想を言わせてもらうなら、その噺家の人...

寄席文字

寄席文字というのは、歌舞伎の勘亭流とも少し違って、なかなかに味わい深いものです。 いいですね。好きだな。 この字体をみているだけで、なんとなく江戸の風を感じます。 反権力の象徴のような字体だともよく言われます。 特徴はよくいわれるように隙間をなるべく作らないということ。 お客様がたくさん入るようにと願ってるわけです。 それに、今日より明日が良くなるようにと右上りの筆勢な...

現代落語論

 彼の存在は誠に複雑です。 肯定するする人もいれば、否定する人もいる。とにかくいつでも話題を提供してくれる噺家でした。 業のままに生き、だれにも死に顔を見せずに亡くなりました。 きっと心のやさしい人だったんでしょう。 その分、強がっていなければ、芯が折れてしまったのかもしれません。 志ん朝との真打ちレースに負けた話は有名です。 辞退しろと志ん朝に迫ったりもしています。 し...

動画をiPodに入れるまで

昨今のようにたくさんの落語番組があると、せっかくDVDレコーダーに入れても、一度見て消しちゃうとか、それこそ、後は焼いておしまいというケースがほとんどです。  それじゃあ、お稽古するのも大変だ。 ライブラリーにしておく方法はないものか。 もちろんあります。ちょっと厄介ですけど、ご紹介いたしましょう。 まずはDVDに焼いてください。それとファイナライズすることもお忘れなく。 ...

圓朝まつり

今年もまた圓朝まつりの季節がやってまいりました。 なんでこの偉大な噺家は、ばかみたいに暑い季節に亡くなったんでしょう。 圓朝については正岡容と小島政二郎の二人にすばらしい作品があります。河出文庫に入れてくれたのもありがたいね、 総じていえば、正岡容のは師匠との関係、その芸全般について。小島政二郎のは、彼の家族、特に息子と妻との関係に重点がおかれています。 息子のことでここまで、稀代の噺...

落語の本

ここにあげた本はいずれも筑摩書房の本ばかり。いずれ劣らぬ名作です。なんたって腐らない。 どういう意味かといえば、普通は一度読めば、本なんてものはおしまいです。よほど惚れ込んでいて好きなら別だけどね。 でもまあ、たいていは一回こっきりです。ところがこの類いの本は、いわばバイブルみたいなもんですから、何度読んでも飽きない。 というより、自分が演じる時に、ここから学ぶことばかりなのです...

高座名

高座名は芸人の命です。 どうして春乃家すい喬なんていう名前になったのか。 全部、自分で決めました。最初は「小よし」としました。しかしプロの方の中に何人かおられましたので、これはまずいと即却下。 あの立川談志師匠も、かつて小よしを名乗った時期があるのです。 じゃあ、酔狂をもじって、勝手にさん喬師匠の弟子になってやれと考えました。 いけませんかねえ。 最初はかなり妙な感...

着物の話

落語と着物はきってもきれない関係にあります。着物を着て白扇を持つだけで、やはり形が決まるのです。落語を始めるにあたって一番最初に苦労したのが、この着物でした。 それまでの生活にまったくないアイテムだったのです。 どこへいったら手に入るのかわからず、まずネットで探してみました。 身丈がどうしたとか、袷だとか、半襟だとか、聞いたことのない言葉が飛び交います。幸いなことに今は稽古用の安くて丈...

稽古した噺を数えてみると…

今までに、あれやこれやと稽古をしてみましたが、かろうじてなんとかできる噺を列挙してみました。 じゃあ、今ここでやれといわれると、少したじたじっといたしますが、7日間ほどご猶予をいただければ、なんとかお喋りをさせていただきます。 というのも元来が口先人間でありまして、誠におっちょこちょいで気が短いときております。 ご先祖さまはずっと江戸の暮らしだったそうで、そういう意味ではあまり言葉遣い...

高座でやらせていただいた噺

考えてみれば、このわずかな期間に随分とお客様の前で噺をさせていただきました。 中にはダブっているのもありますが、どんな噺をしたのか、ちょっとだけ思い出してみます。 最初が「死神」。それから「無精床」。その後「子ほめ」「天災」「幇間腹」「目黒のさんま」「たけのこ」「時そば」「阿武松」「宿屋の仇討ち」「金明竹」「蛙茶番」「抜け雀」「棒鱈」といったところでしょうか。 お稽古した噺は他にたく...