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まことの花

卒業式の季節です。 生徒に贈る言葉を書いてくださいと、図書の先生に言われました。 数日後、突然「まことの花」という短い詩句が浮かんだという訳です。 これは世阿弥が『風姿花伝』にしるした言葉の一つです。 観世流の能を大成した室町初...
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蜜柑

芥川龍之介の短編にはいろいろな味わいのものがあります。 教科書ではもっぱら『羅生門』かな。 これは高校1年で習う小説の定番です。 しかし一番印象に残る作品を一つあげなさいと言われたら、『蜜柑』でしょうか。 芭蕉臨終の様子を描いた...
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落語の国の精神分析

ある大学の入試問題に、精神分析家、藤山直樹の『落語の国の精神分析』が出題されていました。 以前読んだ記憶があるものの、その大部分を忘れていたのです。 あらためて、じっくりと文章を読むにつれ、事実を正確に描写するというのはこういうことなの...
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山の人生

柳田国男の文章の中で一番好きなのがこれです。 晩年の回顧録『故郷七十年』の中にあります。 こんなことが本当にあるのかと最初読んだ時に思いました。 とても信じられない。 十三になる男の子ともらってきた同じ年くらいの女の子。 男は...
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銀の匙

伝説の本です。 夏目漱石が絶賛しました。 いまだに、この小説は残っています。 それも実に大切に扱われているのです。 灘高校の国語の先生が3年間にわたってこの本一冊だけで授業をしたというのも、近年話題になりました。 中勘助という...
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点と線

松本清張の小説『点と線』は時刻表を縦横に使い切った作品の一つです。 昭和32年から33年にかけて雑誌「旅」に連載されました。 この年は彼にとって記念すべき年でもあります。 『眼の壁』『ゼロの焦点』など、名作が次々と発表されました。 ...
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吾輩は猫である

久しぶりに読み返しました。 言わずと知れた夏目漱石の処女作です。 誰もが知っています。 しかし最後まで読み切ったという人に、あまり出会ったことがありません。 不思議な本です。 今となっては難しい。 注釈なしに読むことは至難で...
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影響力の武器 

昨日からずっとこの本を読んでました。 実に興味深いテーマです。 社会心理学の分野に属するものです。 要約すると、人間はどのような行動をとる生物なのかというのが主題です。 人の態度や行動を変化させる心理的な力とは何か。 心の中を...
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ジャコメッティとともに

6月14日から国立新美術館でジャコメッテイ展が始まりました。 これは開館10周年を記念した展覧会だそうです。 この芸術家の横顔を表している作品は矢内原伊作の『ジャコメッティとともに』につきると思います。 ぼくがこの本に出会ったのは実に...
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海も暮れきる

尾崎放哉の本を引っ張り出して読み始めました。 吉村昭著『海も暮れきる』です。 奥付をみたら昭和55年でした。 今から37年も前の本です。 あれから一度も読んでいません。 自由律俳句の授業をする時、荻原井泉水、種田山頭火とともに...
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人生の救い

作家車谷長吉が亡くなったのは、今から2年前です。 誤嚥による窒息死でした。 彼は重度の蓄膿症で、鼻から息が出来ませんでした。 手術をすればなおるかもしれない。 しかし目の神経を切ってしまう可能性が大きかったのです。 それで諦めたと...
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最強の読み方

池上彰と佐藤優の共著です。 朝から読んでました。 去年の暮れに出てから版を重ねている様子。 新聞、雑誌、ネット、書籍から最新の価値あるニュースをどう拾うかというノウハウが載っています。 国語表現を教えていると、いつも何をネタにし...
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檸檬

梶井基次郎の小説『檸檬』を今年も授業でやりました。 実に不思議な味わいに満ちた作品です。 安部公房の短編『赤い繭』とセットになっているのはなぜなのかな。 どちらもギリギリまで引き絞った矢の先端に触れると、死に誘われるような魅力に満ちて...
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天人五衰

三島由紀夫が亡くなる9ヶ月前に行ったインタビューが、未発表のまま残っていたという記事がありました。彼はそのテープの中で自分の文学について語っているそうです。 「僕の文学の欠点は、小説の構成が劇的すぎることだと思う。ドラマティックであり...
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告白

佐藤優の本をまた読んでしまいました。 面白い。 というか、これは彼の脳裡にうつった世界の構造そのものかもしれません。 副題に小説・北方領土交渉とあります。 外務省主任分析官だった彼がどのようにこの交渉を見てきたのか。 それがあ...
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僕たちの前途

上場はしない。 社員は三人から増やさない。 社員全員が同じマンションの別の部屋に住む。 お互いがそれぞれの家の鍵を持ち合っている。 誰かが死んだ時点で会社は解散する。 こんな会社があってもいいかな。 せっかく電通に入っても、...